なか日記

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松山市で幼稚園選びに迷っている親御さんは読んでみる価値あり 『若草幼稚園物語―語りおろし・流水竜也』

若草幼稚園物語―語りおろし・流水竜也

若草幼稚園物語―語りおろし・流水竜也

もうすぐ4歳になる長男は1歳になる前からずっと保育園に通っていた。その中で、運動会や生活発表会を必ず見に行き、その成長ぶりを見てきた。運動会のダンスでもただ突っ立ってるしか出来なかったのが、それなりに踊れるようになってる!とか、劇で立派に台詞が言えるようになってる!とか。毎日顔を合わせていると気がつきにくいが、こうして年に1回のイベントがあるとその成長ぶりをはっきりと見ることができて、それはうれしいものだった。

一方、あまりにもきちっとしている子ども達に少し違和感を感じることもあった。運動会で泣いてる子とそれを気にせず、演技を続ける子ども達。生活発表会で台詞のタイミングや出だしを小声で指示する先生、舞台の立ち位置を何度も確認する子ども、きちっと整列して真っ直ぐに立って歌う子ども達。子ども達のためのイベントというよりは親へのアピールというか、「こんなに出来るようになりました。ほら、見て下さい」みたいな感じ。幼い子ども達がこれだけ整然と動くんだから、きっとかなり練習をしたんじゃないかなとも想像した。その練習を子ども達は楽しくやったんだろうか?とも。

とはいっても、息子が通った保育園はいい先生ばかりだったし、先生方のおかげで息子が大きく成長したのには間違いないので感謝してるし、保育園に通わせたことに後悔はないけどね。

そんな時、若草幼稚園の園長である流水竜也さんの話を聞く機会があった。その時聞いた話が印象深かった。

  • 自分の気持ちがわかる子になって欲しい
  • 自己肯定感を持った子になって欲しい
  • 自分が嫌なことを普通に「イヤ」と言える子になって欲しい
  • 親なんだからヒステリーを起こしてもいい。後で謝ればいい
  • 運動会の練習はしない。運動会をするかどうかも子ども達と話し合って決める
  • ただ広いだけの園庭はいらない。数人の子どもが一緒に遊べる空間が沢山ある方がいい

そんな感じの話だった。

そんな園長のことが書かれた本があると知って、さっそく読んでみたのがこの本。

目次

序章
第1章 人生は楽しい事から始まるべきで
第2章 苦しいときに親鸞と出会うた
第3章 幼稚園に来たけどする事判らんで
第4章 きっと明日も楽しいに違いない
第5章 子供にはしたい事をする権利がある
第6章 子供の癒やし合う力はすごいな
第7章 誉めるんもプレッシャーかける事やけん
第8章 小っちゃい時からいい子はしんどい
第9章 遊びの数はたくさんないといけん
第10章 原体験は楽しくないといけん
第11章 叱らずに、わしはこう思うぞと言う
第12章 親と保育者は違うんじゃけん
第13章 制服なくしたら子供の顔が変わった
第14章 制服なくさんとイジメはなくならん
第15章 違いを認め合う感性を大事にしたい
第16章 自分の判断で生きてほしい
第17章 幼稚園は予備校やない
第18章 丸太小屋作りはアバウトが醍醐味よ
あとがき

読んでみて

園長の子どもに対する思い、願いが伝わってくる。そして、若草幼稚園の良さも。

若草幼稚園というところはね、何をしてもええ幼稚園なんです。四月に子供らが入ってきた時点で、先生とみんなに言うんですが、したいことは何でもしていいですよ。したくないことはせんでもええんですよ。したくないことをせいでもいい。これはすごく楽なんです。私はしたくないと。
 これはどういうことかと言うと、子供は自分には好きなことと嫌いなことがある、したいこととしたくないことがある、そういうのがあるということに最初に気がつかんといけん。 P.18

なかなかこんな事を言われる幼稚園ってないんじゃないかと思う。本書を読んで知ることができたが、最初から今の若草幼稚園だったわけではなく、途中で園長含め園関係者の大きな方向転換があり、激動を経て今の若草幼稚園に至っている。

 わしこの一言で、あっ、こらいかんと思たんよ。ほんで、若草の子は楽しい生活を送りよるんじゃろかと思たんな。カリキュラムで大人が引っぱっとる。子供はついていっとる。大人の言うとおりにする生活が楽しいわけない。「楽しい幼稚園にしたい」と、わし樋口さんに言うた。 P.73

子供のことを真剣に考えて、悩み、苦労してこられたからこそ、話を聞いてて心に響くものがあったんだなぁと改めて感じることが出来た。

大事なわが子をどこの幼稚園に行かせようか悩んでいる親御さんは一度本書を手に取ってみるといい。子供のあるべき姿、何を大事にすべきかをはっきりさせるきっかけになるんじゃないかと思う。若草幼稚園の考えに共感する人もいれば、しない人もいると思うがそれでいい。

「○○ができる」という枝葉の部分ではなく、もっと根っこの部分を大切に育ててあげたい。そんなことを考えている親御さんは本書を読んで若草幼稚園のよさを知ってもらいたい。そして、若草幼稚園に入園しよう。

移住を考えているなら、松山へ。若草幼稚園が決め手の一つになって松山に移住したという人も知ってるよ。

お知らせ

ちょうど10日後の5月13日、「自然育児de遊ぼ」というコミュニティ主催で若草幼稚園園長の流水達也さんの話を聞いたり、会話できるイベントが開催されます。

「若草幼稚園園長:流水達也
   自己肯定をはぐくむ子育てとは」

場所 :松山市ハーモニープラザ(松山市若草町8番地3)
日程 :5月13日(金)
時間 :10時30分~12時で講演、12時~14時で座談会
参加費:無料
主催 :自然育児 de 遊ぼ♪ 代表:上鍵 愛子
定員 :20名(定員になり次第締切ります)
来て欲しい方: お父さん、お母さん、子どもに関わる仕事の方や学生

詳細はFacebookページ「自己肯定をはぐくむ子育てとは」で確認できます(Facebookやってなくても見れます)。

興味がある方はぜひご参加下さい。

おしまい。

若草幼稚園物語―語りおろし・流水竜也

若草幼稚園物語―語りおろし・流水竜也