なか日記

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納得の1本!6本目にして最後の万年筆はパイロットのカスタム74(極細字(EF))

先日、プラチナ万年筆の#3776 センチュリーをポチったものの、友人から万年筆の値段について言及されて、慌ててキャンセルした話を書きました。

今日はその続きのお話。

結論から言うと、実店舗で散々試筆させてもらって、納得して買う事ができました。満足度200%です。

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気になるお店「報画堂」

その友人が以前お世話になったと言ってたのが、地元松山にある「報画堂」というお店でした。

ちなみにこのお店、店舗の他に通販もされてます。自社運営(?)の他に、楽天市場やYahoo!ショッピングにも出店されてて、結構お安く販売されているみたいです。

とりあえず、通販は置いといて、是非ともこのお店に行ってみたくなったのでした。

しかし、なかなか行くチャンスがない。お店に行きたいと思い始めて約3週間後、やっとお店の前に立つことが出来たのでした。

目的

報画堂を訪れた目的、それはもちろん万年筆。慌ててキャンセルした「#3776 センチュリー 極細字」を入手することでした。

そう、試筆させてもらうまでは…

試筆

お店に入り、店内を一周したところで店主に万年筆が欲しい旨を伝えると、用途や持ち歩きを考えてるか、予算、筆圧、などを聞かれました。

カスタム74(SF)

手帳やノートに小さめの字で書き込む感じ。持ち歩きはあまり考えてない。筆圧は低い方だと思う。予算はこれくらいという話をしたところ、パイロットのカスタム74のSFを出してくれました。そして、インクをペン先に付けて試筆させてもらいました。

初めての金ニブ、そしてSFという柔らかめのペン先だったこともあるんでしょうね。なんだかペン先がなめらかに滑る感じ。ちょっとした力の入れ方で線の太さが変わります。うーん、素晴らしい。

カスタム74(F)

私が紙に一生懸命自分の名前を書いてるのを見ながら、今度は同じカスタム74のFを出してくれました。そして、「こっちの方が書きやすくないですか?」と聞かれ「うーん、確かにそうかもしれませんねぇ。」と答えつつも内心は、「よく違いがわからんやないか(汗」。

書きながら色々話をしつつ、「いつも使ってる紙に書いてみるのがいいんですけどね」といわれたので、よく使ってるRHODIAのNo11を取り出して書いてみることにしました。

これなら5mmの方眼に対してどれくらいの文字でいつも書いてるか、線の太さがどれくらいかよくわかります。

カスタム742(F)

そしてしばらくすると、「コクーンとそんなに書き味変わらなくないですか?もうちょっといいのにするとまた違ってきますよ。」といってカスタム742のFを出してきてくれました。

ペン先のサイズがカスタム74は5号、カスタム742は10号一回り違う事あり、なんだか書きやすい気がしました。もちろん、プラシーボ効果もあったと思います。そして徐々にカスタム742に惹かれていく自分。

あと数分、次のアクションを店主が起こさなかったら、私は「これ下さい」って言ってたと思います。

カスタム743(F)

「ギリギリ買えるくらいのお金は財布に…」なんて考えながら試筆してると、今度はカスタム743が目の前に。ああ、これはあかん。「ええの触ったら(いいのがわかって欲しくなる)アカンですねぇ」といいながら自分の名前を黙々と書く私。

さすがにカスタム743は手が出ません。

カスタム74(EF)

今まで出してもらったのがSF(軟細字)とF(細字)だったので、カスタム74のEF(極細字)を出してもらうことにしました。

あぁ、線の細さはいい感じ。細かく書き込みがちの私にはぴったりかも。もちろん、万年筆の持つ書き心地やインクの濃淡による美しさは犠牲になりますが、細かい字を気持ちよく書けるのがいい。

#3776 センチュリー(EF)

そして、今度は#3776 センチュリーのEFを出してもらいました。そういえばこっちが本命だったのです。

ところが、書いてみるとどうも違和感があります。というか、カスタム74のEFの方が書き心地がいい。何度もペンを持ち替えて名前やあいうえおを書いてみたりしましたが、何度やってもカスタム74の方が気持ちよく書ける。

カスタム74(EF) と #3776 センチュリー(EF) 書き比べ

「カスタム74(F)の方が#3776 センチュリー(F)よりも書きやす気がします」というと、店主は「私はこのカスタム74の感じは好きになれないんですよ。この細さだと#3776 センチュリーの方がいいですね」と。

どうやら、書くときのペンの確度が私と店主では違ってたのが一つの要因だったんだと思います。万年筆を立て気味で書く私、一方、寝かせ気味で書く店主。店主自ら書き比べながら、「お客さんくらいの角度で書くのなら、確かにカスタム74の方が書きやすいですね。」と。

私自身もペンを寝かせ気味で書き比べたところ、確かに#3776 センチュリー(F)の方が書きやすい。

でもでもでも、何も意識せずに書いて書きやすいのはカスタム74なんです。

ここで悩んだのは、#3776 センチュリーに合わせて自分の書き方を強制するか、それとも今の自分に合ってるカスタム74を使うか。

しばらく悩みましたが、結局「今の自分が一番気持ちよく書けるもの」を選びました。そう、カスタム74(EF)です。

ご購入

「これにします」というと、「じゃぁ、洗浄しますんでちょっと待っててね」と店主。

さっきまで自分が書きまくって気に入った1本綺麗に洗って頂き、パッケージングしてもらい大事に持ち帰りました。

ちなみに、お店に入ってから40分ほど経ってました。つまり、30分以上色々話を聞きつつ、黙々と試筆してた事になります。これだけ粘って決めた1本。大切に使います。

まとめ

お値段は定価でしたが、諸々のフォローがあってのこの価格という友人の言葉に納得。

散々試筆させてくれて、店主から色々はなしを伺い、その中で決めた1本それ自体を売ってもらえるんですから、一番間違いが無くて確実な買い方じゃないでしょうか。

多少なりとも個体差がある万年筆。ネット上の情報を読み漁って通販サイトでえいやっと注文する場合は、買ったときにはまだ自分が納得出来るかわからない。いわば博打のようなものだと思います。

また、実店舗だと何かあったときに気軽に相談が出来るという安心感もありますね。

というわけで、十分に試筆して納得して買ったこの1本。しばらくは新しい万年筆はいらないかなということで、タイトルに「最後の」と付けました。

おしまい。