- 作者: 秋元康
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2003/04/11
- メディア: 新書
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正直いうと、秋元康のことは詳しく知らないけど、何となく嫌いだった。
「夕やけニャンニャン」とか「おニャン子クラブ」の時代はまだ小さかったので、それについてはどうということはないが、やはりここ数年のAKB商法だろう。これについては、個人的にどうなんだ?という思いがあり、それを仕掛けている秋元康が何となく嫌い。そんな単純な理由。
そんな私であるが、ブックオフの100円コーナーでこの本を手に取ったのは、単にタイトルが気になっただけ。 最近、趣味といえる趣味がなくなってきた感があった。「自転車」は乗れてないし、強いて言えば「読書」「ブログ」?なんか違う。そんな思いがあったから。
読んでみようと思ったのは、冒頭に書かれていたこの一節が自分の心に引っかかったからかな。
四〇歳を過ぎた頃だろうか?
自分の生き方に疑問を持った。
それは、今までの人生に対する疑問というより、これからの人生に対する問いかけのようなものだった。
目次
第一章 今日した仕事に「初めて」はあったか
第二章 男を強くするこだわりと偏り
第三章 僕は趣味のギャンブルから人生を学んだ
第四章 趣味探しとは自分の価値観探しである
第五章 趣味は人生だ
読んでみて
40代というと人生も半分を終え、折り返し地点を過ぎたところ。と思いたいが、予期せぬリタイヤが待ち受けている可能性は今まで以上に高くなる。病気で身体を壊したり、最悪、生きること自体できなくなったり、若年性の認知症で辛い思いをすることになるかもしれない。
そんなことを考えると自分の残りの人生をどう生きるか、充実させるかということに多少なりとも焦りを感じる。
そんな自分にこの本に書いてあるいろんな言葉が刺さってきた。
大人になったら子供の頃にバランスよく栄養をとりなさいというのとは違って、もう好き嫌いがあってもいい。周りに合わせる必要はないし、自分の顔というのがはっきりしていて然るべき。
自分なりのこだわり。「うるせぇ、俺はこうなんだ。ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇ」みたいな。
中年になってから何かを始めるとき、「貪欲」になれるのは、人生の残りの時間を考えるからかもしれない。残された時間で「ここまでできるようになりたい」という意識があるからこそ上達し、夢中になれるのだ
「貪欲」にいきたい。
僕は四〇代半ばになって、つくづく実感している。
この年になったら、人生、もうやりたくないことをやっている時間はないのである。自分にとって楽しくないこと、好きでないことは、できるだけ切り捨てていきたい。
幸せシフト化*1を思い出した。
人間、四〇歳にもなれば人生の教養課程は修了しているのである。あとは専門課程で、自分が本当にやりたいことをすべきだと思う。
教養課程…終了できてるのかな。でも、早く専門課程に進まないと時間がどんどんなくなってくるよな。
自分の守備範囲でないことをやってみる。そんな機会はないだろうと最初から諦めるのではなく、チャンスをやってみようという心づもりが大切なのである。
「八方美人であれ」というわけではなく、もっと間口を広げておかないと楽しいことも見過ごすことになるよね。
最後に
まだ四〇代じゃないけど、何となく先のことを考えて焦りや不安を感じることが増えてきた自分には良い本だった。「やっぱりそうだよね」とか「でも、そこまでできんで」とか、共感したり、そうは言っても…という事もあったけど、こんな人も同じようなことを考えてたんだという意味でちょっと親近感を覚えたりした。
おしまい。