- 作者: 大籔崇
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2015/04/09
- メディア: 単行本
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5月末のKindle50%ポイント還元祭りで購入した本ですが、一気に読んでしまいました。
かつて松山には梅津寺パークという遊園地があり、子供の頃何度か遊びに行った記憶があります。そんな梅津寺で東京ラブストーリーの撮影が行われ、ちょっと話題になったのも当時のことがいろいろ思い出されて懐かしいのですが、私が関西に居た2009年3月15日で閉園になっていました。
そして、今年の4月。梅津寺跡地で再開発が行われることをメディアを通して知ったのですが、あまり交通の便は良くない*1し、正直どうなんかなぁと思ってました。
その再開発を手がけるのが、この本の著者である大籔崇さんが社長を務める「エイトワン」。しかもこの会社、道後のホテルや今治タオルの専門店なども展開しており、愛媛に住んでる私としてはとても興味をかき立てられる存在となりました。
そんなわけで手に取ってみたわけです。
目次
Prologue 全てを自分で受け止めて前に進み続ける
Chapter1 必要なことはパチンコからいくつも学んだ
Chapter2 ニート投資家、35万円を15億円に増やす
Chapter3 地元を継続して盛り上げるにはやはり起業家だ!
Chapter4 タオル専門店を全国に展開大作戦!
Chapter5 ミカン加工、焼き物でもチャレンジ!
Chapter6 「二足のわらじ」をはいて次の展開へ
Epilogue 「東京ラブストーリー」最終回のロケ地が大変身する計画が進行中!
読んでみて
ひと言でいうと、筆者の地域を盛り上げたいという熱い思いと決意が伝わってくる本。
心に引っかかった文章を幾つか紹介しようと思う。
サービスでスマートでない面があったとしても、一生懸命にサービスに臨めば、その姿勢は顧客に伝わる。逆に言えば、どんなにスマートな接客でも、一生懸命さがなければ顧客は感動しない。
最終的には「人」にたどり着く訳なので、「その人の心をどれだけ動かせるか」ということが大事。
地元を盛り上げるために事業を展開するのだから、「愛媛でしかできないない体験」をしてもらいたい。ネットではいろいろなものが買える今日、そこに行かないとできない体験がなければ、顧客は来てくれない。わざわざ愛媛に来たのに、全国どこにでもあるものではリピートしてもらえず、印象に残らない。あくまでも「ここでしかできない」にこだわりたい。
これは地元の知り合いの方も話されていたこと。東京のマネではなく、「ここでしかできない」、「ここにしかないもの」で人を呼ぶというのがこれからの地方には大事。
じゃぁ、これから自分はどう行動する?と考えると固まってしまう。プロ生勉強会を通して(きっかけにして)愛媛に来てもらう、愛媛のことを知ってもらう、また来てもらうということは多少なりともできているんだろうけど、もっと何かしないといけないことがあるような気がする。「もっと何か」なんて言ってる時点で駄目なんだけど。
中小企業の経営者は皆同じだと思うが、どこに行っても頭の中は常に事業のことを意識しており、仕事もプライベートもない。私の場合、そもそも仕事という感覚がない。誰かにやらされているわけではなく、自分の意思で始めたことであり、やるしかない。弱音を吐いているひまはない。
この本を読んで、少しは経営者の頭の中を垣間見ることができた気がする。相当の覚悟がないと経営者なんてできないよね。
怒りの感情とは、元をたどれば自分に責任があると思う。実際、自分が悪いから怒ってしまう状況をつくっていることが多々ある。自らをしっかり律していかないと、なかなかそこから逃れられない。特に起業してしばらくは「どうしてこうなるのか」「こんなはずではなかった」ということがあったものの、「自分が至らないから、こうなっているのだ」「だからこそ、もっと人間的に成長したい」と前向きにとらえてきた。
私もついつい苛立ったり起こってしまうことがある。そんなのを振り返ってみると、確かに自分が悪いといえることもある。これは覚えておこう。
最後に
エイトワンのリンクを張っておきます。
ホテル、ジュース、タオル等様々な事業を展開していますがその根底には「地元へのこだわり」があり、いろんな面から愛媛を楽しむことができると思います。
この本を読んでみて、地元民ですが「このホテルに泊まってみたい、食事がしたい」とか思ってしまいました。ホテル一つとっても、その経営者・従業員の思いを知ることでよりその時間や空間を楽しむことができると思います。
松山(愛媛)に遊びに来る人が読んでおくとより旅を楽しむことができる本なんじゃないかと思います。
もちろん、地元の人にとってもいろいろと考えさせられる本なので、読んで損はないと思います。
おしまい。
*1:伊予鉄の電車は通っているけど