なか日記

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『チーム開発の教科書 C#によるモダンな開発を実践しよう!』 古賀慎一

チーム開発の教科書 C#によるモダンな開発を実践しよう!

チーム開発の教科書 C#によるモダンな開発を実践しよう!

.NETのエンタープライズアプリケーションアーキテクチャ第2版 .NETを例にしたアプリケーション設計原則』を読み終え、興奮冷めやらぬまま勢いでポチって読んだ本。

目次

第1部 「C#で開発を始める」ということ
 第1章 本書の使い方
 第2章 Visual Studioを使った開発の背景・今後3年で学ぶべき全体像
 第3章 Visual Studioを使った開発の全体像・絶対に身につけるべき技術
第2章 「絶対に身につけるべき」技術
 第4章 設計・実装 ~ 綺麗なコードを書き続ける方法
 第5章 格安で必要な範囲を的確にテストできる方法
 第6章 格安で何度でも容易に安全にデプロイできる方法
 第7章 複数人のチームで開発する方法
第3部 「業務システム開発を続ける」ということ
 第8章 ステップアップのための勉強の仕方

読んでみて

どんな本?

一言でいうと、「今の開発に関するトレンドがざっとわかる本」といえる。

コードの書き方はもとより、なぜテストコードを書くのか、バージョン管理の必要性、テストの自動化や継続的デリバリーといった、品質・生産性向上のために必要とされるものが一通り軽めに書かれている。 本書を最初に読んで、それから気になった各分野の詳細な情報に当たるのがいいと思う。

また、静的コード分析など、Visual Studioの機能についても触れられている。Visual Studio自体、バージョンが上がる度に上位エディションの機能が下位のエディションに降りてきている。これを読めば「最新のVisual Studio使わなくてもいいや」なんて考えが以下に馬鹿げているか(品質や生産性向上の可能性を無駄にしているか)判るだろう。

素振りは大事

それと、当たり前のことだけど大事なことが書かれている。

 現実的な問題として、会社組織でのいわゆる「実務」の実践だけでは、まったくスキルアップできない場合があることを覚悟してください。  マネージャーは多くの場合、メンバーの個人のスキルアップを望んでいるのではありません。メンバーの結果を期待しているのです 位置No.5494

 つまり、「新しくこれを試しにやってみたい」という場合には、既にそれを個人的に試すなどして、使いこなせるようにレベルアップを済ませていることが条件で、成果が上がることが保証できる場合にのみ、「やってみろ」と認められるものだということです。これはごく当たり前のことです 位置No.5509

新しい技術や手法を実戦投入するなら、その前にある程度素振りをしておく必要がある。前に書いたけど、最低でも「わかっている」状態にはなっておかないと話にならない。スピード感を持って顧客に価値を提供したいなら、業務中に一から勉強する時間も工数もないはず。

誰に読んでほしいか

経験年数の少ない人とか、昔ながらの手法が当たり前だと思ってる人とか、開発効率や品質が悪いと悩んでいる人とか、そういった人にはいい気付き・ヒントになるんじゃないかと思う。でも、そういった人のアンテナにこの本が引っかかるかどうかというのはちょっと微妙かもしれない。

チームに参加した新人に「これが100%正解というわけではないけど、目指すところはこういう所だよ」って本書を渡すのがいいかもね。

おしまい。