- 作者: 二宮敦人
- 出版社/メーカー: TOブックス
- 発売日: 2016/11/18
- メディア: Kindle版
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Kinoppyのメルマガで見つけて、Kindle版を買った。ごめんよ、Kinoppy。
目次
第一章 とある会社員の死
第二章 とある大学生の死
第三章 とある医者の死
読んだ後の書き殴り
タイトルが覚えられない…というのは置いといて、面白かった。いや、面白かったという一言ですますのはなんか違う。
患者の死と向き合う二人の医師。病気と最後まで戦う姿勢を貫き、患者を鼓舞する医師と病気を受け入れ、自分らしい最後を迎えることを第一とする医師。どちらが正しいとか正しくないとか、そういうのとはちょっと違う。すべては患者の意思次第だと思うが、自分がその立場ならどうだろう?正直、その時になってみないと結論は出せないだろう。いや、その時になっても迷い続けているかもしれない。
後者の医師が語った言葉が胸に刺さった。
僕たち医者は患者を救おうとするあまり、時として病気との戦いを強いるのです。最後まで、ありとあらゆる方法を使って死から遠ざけようとする。患者の家族も、それを望む。だけどそれは、はたして患者が本当に望んでいた生でしょうか? 医者や家族の自己満足ではないか? 患者が他人の自己満足に巻き込まれ、死に敗北するようなことがあってはなりません
「1日でも長く生きてほしい」という周囲の思い。でも、その1日は患者にとって「生きた」といえるのか。
そんなことを考えるとともに、書かれている病気や治療に関する情報も自分にとっては知らないことも多かった。第1章に書かれていた白血病なんて、自分にとってはかなり衝撃的な内容だった。
世の中にはこんな風に病気と闘い、克服する人もいれば敗れる人もいる。周囲にそういた人が居ないのは幸せなことだと思う。「ただ普通に生きていられること」がどれだけありがたいことか、何事もない日常に感謝して生きよう。
読んでみて(後から冷静に振り返って)
最近、小説を読んでなかったので「たまにはいいかな」と思って何気に手に取った*1作品。
普段、死について殆ど考えることがないので、この「病気」「死」をテーマにした作品は自分にとっては重苦しく、読んでいて胸を締め付けられるような思いだった。子供を置いて先立つ境遇、子供が先になくなってしまう境遇、そういった場面に自分の身を置きやすくなっているからでもあるだろう。
奇跡は起きず、ハッピーエンドでもない。しかし、暗く沈んでしまうわけではなく何かしら光明を感じるのは、最終的には患者自身が自分のことを「決めた」からなんだろうな。
もちろん読み終えた後、そのまま続編をポチった。
- 作者: 二宮敦人
- 出版社/メーカー: TOブックス
- 発売日: 2018/04/02
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*1:電子書籍なので「ポチった」が正しいけど